波面センサーと屈折検査   
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II.高次収差の測定

1.波面センサー

 波面センサー(Wavefront sensor)は、アベロメーター(Aberrometer)とも呼ばれ、研究用に、そして2000年頃から臨床用に開発されてきた。オートレフラクトメーターやレチノスコープと同じように、波面センサーは光を外側から眼の中に入射させ、網膜で反射された光束を測定する装置である(図2−1)。本邦ではニデック、トプコン、そしてカールツァイスで製造されている(図2−2)。計測値は、一般的にµm(マイクロメーター)の単位で波面収差として表され、この波面収差を各種の収差成分に分解して、分析することができる。

 ニデックとトプコンの波面センサーは、高次収差関連のデータを測定するだけで、眼鏡店が効果的に利用できるソフトはまだ準備されていない。しかし、カールツァイスの波面センサーでは、測定された高次収差等のデータをよりよい視覚のために必要なレンズ度数(従来の0.25Dの単位ではなく100分の1単位)やレンズ設計に利用することができる。そのため、個々の被検者にオンリーワンレンズの処方が可能となる。

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図2−1 波面センサーの構造

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図2−2 カールツァイス社の波面センサー i.Profiler Plus

 波面センサーで測定された波面の形は、カラーコードマップ(高次収差マップと呼ばれる)で表示される。これはオートレフラクトメーターや角膜表面形状のみを表すトポグラフィーとは異なり、眼の全体的光学特性を表している(図2−3)。

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図2−3 カラーコードマップ(左上:角膜トポグラフ 右下:眼全体の光学状態)

 実際に測定された収差は、一種類の収差でなく、数多くの収差が組み合わさっている。これをゼルニケの多項式で展開することで、測定された複雑な波形が分析され、レベル番号が付けられる(図2−4)

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図2−4 ゼルニケ係数表

2.高次収差測定原理

 当初天文観察用に開発された Shack-Hartmann の方法は、測定器の精度の向上に伴って高次収差測定にも使われるようになってきた。現在3つの測定法があるが、主に2つの方法が主流のようである。一つは、Shack-Hartmann波面センサーである(図2−5)。これは、黄斑部に細い赤外線を集光させ、眼外に反射してきた波面をレンズレットアレイ(Shack-Hartmannプレート)で分解する。得られたスポット光の像(Hartmann像)をCCDカメラで撮影して、スポット光の位置ずれから波面を算出し、それをゼルニケ多項式で展開し解析する。この原理は、カールツァイスやトプコンの波面センサーに使われている。

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図2−5 シャックハルトマン センサーの原理
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図2−6 ハルトマンセンサーを搭載したトプコンKR-1W

 二つ目は、ダイナミック検影法(Dynamic Retinoscopy)による波面センサーである。これは、光源であるスリット光を眼内に入射させ、反射した光を受光素子アレイで捉え、発生する時間差を計測して屈折力に換算し、そこから波面収差データに変換する方法である。この原理は、ニデックの波面センサーに使われている。

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図2−7 ダイナミック検影法波面センサーの原理
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図2−8 検影法波面センサーを搭載したニデックOPD-ScanII


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